年始のご挨拶(2025年)
地域の皆様のご支援のもと、2025年も幕開けとなりました。今年は巳年ですが、ヘビは医学を象徴します。
「アスクレピオスの杖」はご存じでしょうか。WHOや日本医師会などのマークに使われています。ギリシャ神話に登場する名医アスクレピオスの杖にはヘビが絡まっています。また、ヘルメス神(科学の神、あらゆる学芸や医学の神)の持物のカドゥケウスにも、二匹のヘビがらせん状に絡まっております。ヘビは脱皮して成長することから、「強い生命力」、「死と再生」、「不老不死」などを意味するようになったのでしょう。
新型コロナ感染症も5類に変更されてから2年経過しつつありますが、インフルエンザA型大流行、新興感染症の流行の兆しなど、目が離せません。もとより、フレイル高齢者の急増、医療介護業界の人手不足、物価の高騰など、医療機関、介護施設、在宅療養を問わず、大変な時代になってきました。まさに、ヘビの生命力も借りたい状況です。
今年は1950年生まれの方が、後期高齢者(75歳~)になるなど節目の年にもあたります。2040年にかけて、後期高齢者数はピークを迎えますが、政府は入院から在宅療養へ大きく舵を切っています。しかしながら、昨年(2024年)の診療報酬・介護報酬の改定では、医療費も介護費も大きく削られ、政府の医療福祉行政は迷走していると言わざるを得ません。その中で、年末に社会保障審議会から、「2040年に向けた医療提供体制の総合的な改革に対する意見」が発出されました。今後は、この意見書に沿った形で医療界は大きく地図が塗り替えられると強く予想されます。それぞれの病院の強みを発揮し、医療連携を進めていきたいと思います。
当院は医療型の療養病棟50床の病院ですので、高齢者の慢性期を預かることになります。今年は、初心にかえり、「仁」の精神にて地域に寄り添う医療を実践していきたいと、スタッフ一同全力で努めてまいります。
- 医療的処置(透析、高カロリー輸液、経管栄養、褥瘡処置など)の継続を要する慢性期高齢者の受け入れ
- 身体拘束最小化の努力、認知症高齢者のケアの強化
- 医療連携を推進し、迅速に相談、受け入れを実施します
2025年 1月
医療法人同仁記念会
明和病院
院長 水山和之